【会計ソフト乗り換えレポ③】弥生会計からfreeeのデータ移行 導入サポートの感想2点

前回まで、弥生会計を使用していた弊社が、Freeeへの乗り換えを決定し、初期設定~移行計画について紹介してきました。
今回は、移行を実際やってみてわかった注意点や苦労した点などをまとめます。

弊社の代表は財務の専門家でもあり、他1人の従業員は会計システムの扱う職を経験してきました。
Freeeの導入サポート等もあり、乗り換えのハードルは高くない印象でしたが、実際はどうだったのでしょうか。

ポイント①決算処理を待つかどうか

決算処理を待たずにFreeeを開始する方針

会計ソフトを乗り換える・移行するタイミングで、期が変わるタイミングを選ぶ方は多いと思います。
ただし期末決算処理は新しい期が始まっても続いており、決算確定するまで移行作業ができないとなると通常業務にも響くことがあるでしょう。


仮に、【1期(弥生会計):2022/11/1~2023/10/31】、【2期(Freee):2023/11/1~2024/10/31】とします。
1期の通常業務が終わった断面でFreeeを開始し、決算仕訳は弥生にもFreeeにも手動入力する方針としました。

時系列にテーブルにすると下記のようなイメージです。

時期弥生会計Freee
2023/101期の通常業務を行う。契約後、そのまま。
2023/10末1期の通常業務の入力が完了する。
1期の決算処理を開始する。
1期のデータ移行を開始する。
(8営業日で完了予定)
2023/11/13頃1期のFreeeのデータ移行が完了する。
2期の通常業務を開始する。
2023/11/20頃1期の決算処理が完了する。
2023/11/30頃1期の決算仕訳を入力する。
以後弥生会計は使用しない。2期の通常業務を進める。

実際どうだった?

実際にこの方針を経て思う感想を述べます。

2期通常業務の開始をなるべく早くできるため、作業待ち、作業待ちで滞ることによるミスを減らせる。
また、Freeeという新しい環境の設定・作業慣れの時間が取れる。

決算仕訳はもちろん、移行後(上でいう2023/10末)に弥生を変更した場合は、漏れなくFreeeに入力することが必要となる。

一括入力機能があるので入力自体は手間ではない。変更を漏れなく記録しておくことがポイント!

ポイント②Freeeのタグの使用方法の検討

Freeeでいうタグとは

一言で言うと、弥生会計でいう「補助科目」ですが、使用方法に違いがあります。

【弥生の場合】※勘定科目 [補助科目]

  • 2024/1/30
    水道光熱費 [シリウス荘] 500 / 未払金 [シリウス荘] 500
  • 2024/1/31
    未払金 [シリウス荘] 500 / 普通預金 [カノープス銀行]
  • 2024/2/1
    普通預金 [カノープス銀行] / 売上 [シリウス荘]

補助科目[シリウス荘]が共通しているように見えますが、
弥生会計上は、水道光熱費の[シリウス荘]未払金の[シリウス荘]売上 の[シリウス荘]は別物です。

【Freeeの場合】※取:取引先タグ、品:品目タグ

  • 2024/1/30
    取:シリウス荘
    水道光熱費 [品:シリウス荘] 500 / 未払金 500
  • 2023/1/31
    取:シリウス荘
    未払金 500 / カノープス銀行 500
  • 2024/2/1
    取:シリウス荘
    カノープス銀行 500 / 売上 500
  • 2024/2/2
    通信費 [品:シリウス荘] 500 / カノープス銀行 500

違い①
取引先タグのシリウス荘は、仕訳のまとまり単位でつけられています。
品目タグのシリウス荘は、水道光熱費の勘定の単位でつけられています。

違い②水道光熱の[品:シリウス荘] 、通信費の[品:シリウス荘] は全く同じタグで、
(勘定の単位でつけられるタグは品目タグの他にも、部門タグやメモタグがあります。)

Freeeに移行するときのタグの方針決め

上記のようになんとなく違いがあることをおわかりいただけたと思います。
この違いに絡め、Freeeに移行する際に、運用のルール付をしておきましょう。大きくポイントは2点。

ポイント①各タグの種類が扱うモノの範囲を決める
例えば、、

  • 取引先タグは、金銭を取引する個人や会社。仕入先、得意先。
  • 品目タグは、売上品目、経費を詳細化する。収入や支出をレポート出力する単位。
  • 部門タグは、自組織内部で収入や支出をレポートする単位。プロジェクトや部門名。


同じ意味のタグを複数作らない(各タグ、各タグを跨いで)
例えば、、

  • (NG例)シリウス荘購入のための借入金「カノープス銀行借入金0001」があるとき同じものを意味して複数のタグを作成してしまう。
    品目タグ「カノープス銀行借入金0001」
    部門タグ「カノープス銀行借入金00001」
    →運用時に手間になったりミスになったりします。
  • (OK例)情報の単位が異なり、用途が違う場合は良い。
    品目タグ「シリウス荘」→シリウス荘全体管理のための支出の詳細化のため
    取引先タグ「シリウス荘101号室山田様」→売上・売掛管理のため
    →この場合はそれぞれの用途を明確にするように工夫しましょう。

まとめと次回

今回は弥生会計からFreeeへの乗り換えに際した移行について、実際にやってみてわかったことをまとめました。

内容が少しずつ入り組んできましたが、タグの使用方法などは最初に方針をうまく決めないと、ミスが多くなる、レポートがうまく出せず期待したIT投資の効果が得られない・・・となりますね。

次回以降、実際の業務を効率化するために活用にしている機能などにも触れていきたいです!

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